テイスティングの項目別用語選択について

2024年度 J.S.A. ソムリエ・ワインエキスパート二次試験対策

二次試験の概要と設問内容

試験時間

  • ソムリエ→論述 20 分、テイスティング 40 分
  • ワインエキスパート→テイスティング 50 分

2023 年度アイテム数

  • ソムリエ→ワイン 3 種類 その他の酒類 2 種類
  • ワインエキスパート→ワイン 4 種類 その他の酒類 1 種類

2022 年度 ソムリエ 出題品種

品種原産国ヴィンテージ
シャルドネフランス2020
リースリングドイツ2019
シラーズオーストラリア2020
ピスコ
イエガーマイスター

2022 年度 ワインエキスパート 出題品種

品種原産国ヴィンテージ
ソーヴィニヨン・ブランニュージーランド2019
甲州日本2021
カベルネ・ソーヴィニヨンアメリカ2019
シラーフランス2018
オー・ド・ヴィー・ド・キルシュ

設問内容

二次試験では各アイテムの「外観」「香り」「味わい」、及び、「評価」、「適正温度」、「グラス」、「デカンタージュ」、「収穫年」、「生産地」、「主なブドウ品種」が問われます。(外観、香り、味わいはさらにいくつかの項目に分かれています。)

使用する用語は白ワイン用と赤ワイン用でそれぞれ A4 サイズ 1 枚の紙にまとめられており、その中から、各項目についてふさわしいコメントを選択しマークシートに記入します。

それぞれのアイテムにより選択する用語の数が異なりますので注意深く問題文を読み、選択数を間違えないようにしましょう。

色調のご参考

色調のご参考

JSA二次試験対策 テイスティングの項目別用語選択

白ワイン

  • 外観
  • 清澄度 1 つ選択:澄んだ(すべて、この用語を選択)
  • 輝き 1 つ選択:輝きのある(すべて、この用語を選択)
  • 色調 1~2 つ選択(選択肢数はワインにより異なります):グリーンがかった、レモンイエロー、イエロー、黄金色がかった、黄金色、オレンジ(グリ)を帯びた
    色調は、そのワインの若さ・古さが推測できます。濃淡が淡い場合は「グリーンがかった」「レモンイエロー」、濃淡がやや濃い場合は「レモンイエロー」「イエロー」、濃淡が濃い場合は「イエロー」「黄金色がかった」が選ばれることが多いです。
  • 濃淡 1 つ選択:無色に近い、淡い、やや濃い、濃い
    無色に近い:ほとんど無色に近いワインの場合に選択。淡い:比較的淡いワインの場合に選択。やや濃い:比較的濃いめのワインの場合に選択。濃い:はっきりと「濃い」ワインの場合に選択。
    「淡い」「やや濃い」について、どちらか判別しかねるワインの場合、両方が正解になります。
  • 粘性 1 つ選択:さらっとした、やや軽い、やや強い、強い
    *辛口ワインの場合は、味わいの「アルコール感」と比例させることをお勧めします。
  • 外観の印象 1~2 つ選択:若々しい、軽快な、成熟度が高い、濃縮感がある
    *下記がよく使用される用語
    • 若々しい:グリーンがかった若いワインの場合に選択。
    • 軽快な:グリーンの色調があり、濃淡が淡い又は無色に近い場合に選択。
    • 成熟度が高い:色の濃さの程度によって選択。
    • 濃縮感がある:色の濃さの程度によって選択。
  • 香り
  • 第一印象 2 つ選択(選択肢数は異なることもあります):閉じている、控えめ、開いている、フレッシュな、チャーミングな、華やかな、濃縮感がある、深みのある、複雑な、力強い
    下記がよく使用される用語
    • 閉じている、控えめ:香りのボリュームが弱い場合に選択。
    • 開いている:香りのボリュームが比較的ある場合に選択。
    • フレッシュな:爽やかでフレッシュな印象の香りの場合に選択。
    • チャーミングな:比較的控えめな香りだが、吟醸香などの香りがある場合に選択。
    • 華やかな:華やかな果実や花の香りのある場合に選択。
    • 濃縮感がある:凝縮感のある香りのワインの場合に選択。
    • 深みのある、複雑な:例えば、ハチミツ、ドライフルーツなどの香りが感じられる発達した(熟成感のある)ワインで、複雑性のある香りのワインの場合に選択。
    • 力強い:香りのボリュームがしっかりとある場合に選択。
  • 特徴 7~8 個ほど選択:「果実・花・植物」から 3~4 つ、「香辛料・芳香・化学物質」から 3~4つ
    • 柑橘系果実の表現用語:柑橘類、青リンゴ、リンゴ、洋梨、花梨、白桃、アプリコット、パイナップル、マスカット、パッションフルーツ、バナナ、ライチ
    • 白い花系の表現用語:スイカズラ、アカシア、白バラ、菩提樹
    • 黄色い花系の表現用語:キンモクセイ
    • ハーブ系の表現用語:ミント、ヴェルヴェーヌ、草のような、アニス
    • 樽香の表現用語:ヘーゼルナッツ、フレッシュ・アーモンド
  • 「香辛料・芳香・化学物質」欄にある用語の分類
    • ミネラル的香りの表現用語:石灰、火打石、貝殻、鉱物、海の香り
    • シュール・リー熟成の表現用語:パン・ドゥ・ミ(食パンです)
    • 樽香の表現用語:トースト、ヴァニラ
    • M.L.F.のニュアンスの表現用語:乳製品
    • 還元臭の表現用語:硫黄
    • エキゾチック的な香りの表現用語:香木
    • 甲州の時に必ず選ばれる用語:丁子
    • その他、随時選ばれる表現用語:煙・燻製、白胡椒、コリアンダー(パクチー)、蜂蜜、花の蜜、麝香、ペトロール(ケロセン)、蜜蝋、フェノール
  • 2~3 つ選択(選択肢数はワインにより異なります)
    下記がよく使用される用語
    • 若々しい:さわやかでフレッシュなワインの場合に選択。
    • 嫌気的な:若いワインで「硫黄」や「マッチを擦った時の香り」など、還元臭のある場合に選択。
    • 成熟度が高い:ブドウの熟度が高く、濃縮感のある香りの場合に選択。
    • 第1アロマが強い:果実、花などの第 1 アロマが強い場合に選択。
    • 第2アロマが強い:低温発酵による「吟醸香」や、マロラクティック発酵による「バター」、「杏仁豆腐」、「カスタードクリーム」などの香りが強い場合に選択。
    • ニュートラル:シャルドネ、ミュスカデなどの品種で、果実や花の香りが弱く、ニュートラルな印象の場合に選択。
    • 木樽からのニュアンス:樽香(ヴァニラやナッツなどの香り)が感じられる場合に選択。
  • 味わい
  • アタック 1 つ選択:軽い、やや軽い、やや強い、強い
    「アタック」とは、口に含んだ時の第一印象です。「アタック」に比例するのは、ワインの「ボディ」です。「ボディ」とは、甘味とアルコール感がボディを成す要素です。
    • 軽い:軽めのアタックのワインの場合に選択。
    • やや軽い:比較的軽めのアタックのワインの場合に選択。
    • やや強い:比較的強めのアタックのワインの場合に選択。
    • 強い:強いアタックのワインの場合に選択。
  • 甘味 1 つ選択:ドライな、ソフトな、まろやか、豊かな、残糖がある
  • 酸味 1 つ選択:はつらつとした、爽やかな、軽やかな、なめらかな
  • 苦味 1 つ選択:控えめ、穏やかな、コク(深み)を与える、旨味をともなった
  • バランス 1 つ選択:スリムな、スムーズな、コンパクトな、ドライな、まろやかな、ジューシーな、豊潤な、厚みのある、ふくよかな
  • アルコール 1 つ選択:軽い、やや軽め、中程度、やや強め、強い、熱さを感じる
  • 余韻 1 つ選択:短い、やや短い、やや長い、長い
  • 総合評価 1 つ選択:シンプル、フレッシュ感を楽しむ、成熟度が高く豊かな、濃縮し力強い、エレガントで、ミネラリー、滑らかで、バランスが良い
  • 供出温度 1 つ選択:8~10度、11~14度
  • グラス 1 つ選択:小ぶり、中庸、大ぶり

赤ワイン

  • 外観
  • 清澄度 1 つ選択:澄んだ、深みのある。多くの場合、こちらの用語が選ばれています。
    深みのある:濃淡が濃い以上の場合、選択しても良いですが、模範解答に、この用語が選ばれている場合、同時に「澄んだ」も模範解答に記載されています。
  • 輝き 1 つ選択:輝きのある(すべて、この用語を選択)
  • 色調 2 つ選択:ルビー/ラズベリーレッド、ガーネット/ダークチェリーレッド、紫がかった、縁が明るい、オレンジがかった、レンガ、黒味を帯びた
    色調は、そのワインの若さ・古さが推測できます。
    まずは濃淡によりどちらか選択してください。
    • ルビー/ラズベリーレッド:濃淡が明るい~やや濃いワインの場合
    • ガーネット/ダークチェリーレッド:濃淡がやや濃い~非常に濃いワインの場合
    濃淡が「やや濃い」ワインについて、ルビー/ラズベリーレッドを選ぶか、ガーネット/ダークチェリーレッドを選ぶかは、全体的な色調で、どちらかというと赤っぽい色調の場合はルビー/ラズベリーレッドを、どちらかというと黒っぽい色調の場合はガーネット/ダークチェリーレッドを選ぶようにしてください。
    次に縁の色合い状態でいずれかを選択してください。下記の用語は、若いワイン⇒熟成したワインの縁の色合い状態を表わす用語順に並んでいます。
    • ルビー/ラズベリーレッドを選択した場合:紫がかった、縁が明るい、オレンジがかった
    • ガーネット/ダークチェリーレッドを選択した場合:紫がかった、黒味を帯びた、オレンジがかった、レンガ
  • 濃淡 1 つ選択:明るい、やや明るい、やや濃い、濃い
    明るい:グラスを持ち、真上から見て、グラスの脚を持つ自分の指がはっきりと透けて見えるくらい明るい場合に選択。
    やや明るい:グラスを持ち、真上から見て、グラスの脚を持つ自分の指が少し透けて見えるくらいで、どちらかといえばやや明るい場合に選択。
    やや濃い:グラスを持ち、真上から見て、グラスの脚を持つ自分の指が見えるか見えないか くらいで、どちらかといえばやや濃い場合に選択。
    濃い:グラスを持ち、真上から見て、グラスの脚を持つ自分の指が全く見えないくらい濃い場合に選択。
  • 粘性 1 つ選択:やや軽い、やや強い、強い
    味わいの「アルコール感」と比例させることをお勧めします。
  • 外観の印象 1~2 つ選択:若々しい、若い状態を抜けた、やや熟成した、熟成した、成熟度が高い、濃縮感が強い
    *下記がよく使用される用語
    • 若々しい:紫の色調が強いワインの場合に選択。
    • 若い状態を抜けた:紫の色調があるかないかという微妙な状態、もしく紫の色調が抜けた状態のワインの場合に選択。
    • やや熟成した:オレンジやレンガ色の熟成感のある色調のワインの場合に選択。
    • 熟成した:オレンジやレンガ色の熟成感のある色調のワインの場合に選択。
    • 成熟度が高い:色の濃さの程度によって選択。
    • 濃縮感が強い:色の濃さの程度によって選択。
  • 香り
  • 第一印象 2 つ選択(選択肢数は異なることもあります):開いている、チャーミングな、強い、華やかな、濃縮感がある、深みのある、複雑な
    下記がよく使用される用語
    • 開いている:香りのボリュームが比較的ある場合に選択。*赤ワインはまずはこの用語を選択するのが無難です。
    • チャーミングな:「イチゴ」を思わせるような赤い果実のチャーミングでフルーティーな香りのあるワインの場合に選択。
    • 強い:香りのボリュームがしっかりとある場合に選択。
    • 華やかな:ピノ・ノワールなど、華やかな果実や花の香りのあるワインや、赤系フルーツが感じられる時はこの用語を選択。
    • 濃縮感がある:凝縮感のある果実香のワインや、黒系フルーツが感じられる時はこの用語を選択。
    • 深みのある、複雑な:例えば、なめし皮、腐葉土、タバコなどの香りが感じられる発達した(熟成感のある)ワインで、複雑性のある香りのワインの場合に選択。
  • 特徴 7~8 個ほど選択:「果実・花・植物」から 3~4 つ、「香辛料・芳香・化学物質」から 3~4 つ
    • 赤系果実の表現用語:イチゴ、ラズベリー、ブルーベリー
    • 黒系果実の表現用語:カシス、ブラックベリー、ブラックチェリー
    • ドライフルーツ系果実の表現用語:干しプラム、乾燥イチジク
    • 赤い花系の表現用語:バラ、スミレ、牡丹、ゼラニウム
    • 植物系の表現用語:ピーマン、シダ、杉、針葉樹
    • ハーブ系の表現用語:メントール、ローリエ、ドライハーブ
    • 熟成の香りの表現用語:タバコ、紅茶、キノコ、スーボワ
    • その他、随時選ばれる表現用語:ユーカリ、土、黒オリーブ
  • 「香辛料・芳香・化学物質」欄にある用語の分類
    • スパイシーさの強いスパイスの表現用語:黒胡椒、丁子
    • 甘やか系スパイスの表現用語:シナモン、ナツメグ、甘草
    • 樽香の表現用語:ヴァニラ、コーヒー、チョコレート、樹脂
    • 肉っぽい動物的な表現用語:生肉、乾いた肉、なめし皮、動物的なニュアンス
    • 血液的香りの表現用語:鉄分
    • 熟成の香りの表現用語:乾いた肉、なめし皮
    • その他、随時選ばれる表現用語:ロースト、煙・燻製
  • 2 つ選択(選択肢数は異なることもあります)
    下記がよく使用される用語
    • 若々しい:フレッシュな果実香がメインの若々しい香りのあるワインの場合に選択。
    • 熟成感が現れている:熟成香(なめし皮、腐葉土、タバコなど)のあるワインの場合に選択。
    • 酸化熟成の段階にある:熟成香があり、尚且つ、酸化的な香り(お漬物のような香り)が伴う場合に選択。
    • 第1アロマが強い:果実、花、スパイスなどの第 1 アロマが強いワインの場合に選択。
    • 第2アロマが強い:ガメなど、マセラシオンカルボニック製法による「キャンディ香」があるワインの場合に選択。
    • 木樽からのニュアンス:樽香(ヴァニラやミルクコーヒーのような香り)が感じられるワインの場合に選択。
  • 味わい
  • アタック 1 つ選択:軽い、やや軽い、やや強い、強い
    「アタック」とは、口に含んだ時の第一印象です。「アタック」に比例するのは、ワインの「ボディ」です。「ボディ」とは、甘味とアルコール感がボディを成す要素です。
    • やや軽い:比較的軽めのアタックのワインの場合に選択。
    • やや強い:比較的強めのアタックのワインの場合に選択。
    • 強い:アタックの強いワインの場合に選択。
    • インパクトのある:アタックのかなり強いワインの場合に選択。
  • 甘味 1 つ選択:ドライ、ソフトな、まろやか、豊かな
  • 酸味 1 つ選択:堅固な、爽やかな、生き生きとした、しなやかな、なめらかな
  • タンニン 1 つ選択:収斂性のある、力強い、緻密、サラサラとした、ヴィロードのような
    「ヴィロードのような」という用語は、熟成によりタンニンが溶け込んでいる状態を表わす用語です。
  • バランス 1 つ選択:酸味と果実味がメインで、タンニンは控えめなワイン、果実味とタンニンの強いフルボディのワイン、酸味とタンニンが強いワイン
    1.酸味と果実味がメインで、タンニンは控えめなワイン:豊満な、ジューシーな、流れるような、ふくよかな
    2.果実味とタンニンの強いフルボディのワイン:骨格のしっかりした、豊満な、力強い、ふくよかな
    3.酸味とタンニンが強いワイン:骨格のしっかりした、堅固な、力強い
    *これらの用語から適切な用語を選択。
  • アルコール 1 つ選択:やや軽め、中程度、やや強め、熱さを感じる
  • 余韻 1 つ選択:やや短い、やや長い、長い
    余韻とは、ワインを飲んだあと(吐器に吐き出したあと)、口中に持続するそのワインの風味の長さです。余韻に比例するのは「品質」であり、高品質なワインほど余韻は長く、そうでないワインは余韻が短いです。
  • 総合評価 1 つ選択:シンプル、フレッシュ感を楽しむ、成熟度が高く豊か、濃縮し力強い、複雑性があり、引き締まった、エレガントで、余韻の長い
    シンプル、フレッシュ感を楽しむ:香りも味わいもシンプルで、若飲みタイプのワインの場合。
    成熟度が高く豊か or 濃縮し力強い:比較的ボディが強めのワインの場合で、程度の差に合わせてどちらかを選択。
    複雑性があり、引き締まった:熟成による複雑性が感じられ、ドライな印象(引き締まった印象)のあるワインの場合に選択。
    エレガントで、余韻の長い:香りも味わいもエレガントで、余韻が長いワインの場合。
  • 供出温度 1 つ選択:14~16度、17~20度
    14~16度:ライトボディ~ミディアムボディのワインや、比較的タンニンが控えめなワインの場合に選択。
    17~20度:ミディアムボディ~フルボディのワインや、比較的タンニンが強めのワインの場合に選択。
  • グラス 1 つ選択:中庸、大ぶり
    中庸:比較的軽めのボディからミディアムボディのワインの場合に選択してください。
    大ぶり:ボリュームのあるワインやタンニンの強いワインの場合に選択してください。
  • デカンタージュ 1 つ選択:必要なし、事前(30分前)
    必要なし:タンニンの量が軽~中庸のワインや、タンニンの量は多くてもテクスチャー(舌触り)が比較的滑らかなワインの場合に選択。
    事前(30分前):タンニン量も多く、テクスチャー(舌触り)も粗く、全体的に引き締まった固いワインの場合に選択。